停電が起きた瞬間、部屋の中で起きること
ブツン、という音とともにテレビの音声が消え、換気扇のモーター音も止まる。次の瞬間、部屋は真っ暗になります。頼りになるのはスマホの画面だけで、バッテリー残量がどれくらい残っているのか、急に気になり始めます。
冷蔵庫の中身は大丈夫だろうか。エアコンは止まったままでいいのだろうか。外の様子を確認しようと窓を開けても、街灯まで消えていて状況がつかめません。停電は予告なくやってくるものなので、起きてから慌てて対策を考えても間に合わないことがほとんどです。一度この状況を経験すると、次に同じことが起きたときのために何を用意しておけばいいのか、真剣に考えるようになるのではないでしょうか。
停電が起きたらまず何をするか 初動でやること
停電に気づいたら、真っ先に確認すべきは「自分の家だけが停電しているのか、地域全体が停電しているのか」です。隣の部屋の窓明かりや外の街灯が点いているなら、自宅のブレーカーが落ちただけの可能性が高いといえます。この場合は玄関付近の分電盤を確認しに行きましょう。一方、近隣も含めて真っ暗な場合は地域全体の停電なので、ブレーカーを操作する必要はありません。
次にやっておきたいのが、エアコンや電子レンジ、洗濯機のように電力を大きく使う家電のスイッチを一度オフにしておくことです。停電中はコンセントに挿さったままでも動かないので実害はありませんが、復旧の瞬間にまとめて電源が入ると電力の使用量が急に増えます。その結果、ブレーカーが再び落ちてしまう原因になりかねません。
そして冷蔵庫と冷凍庫のドアは、できるだけ開けないようにします。中の温度が上がりきる前に停電が終われば、食品への影響は最小限で済むはずです。情報収集はスマホで行いますが、画面をつけっぱなしにせず、必要なときだけ確認して省電力モードに切り替えておくと、電池の減りをかなり抑えられます。
事前の備えは全部揃えず、優先順位で選ぶ
停電対策として紹介されるアイテムは数え切れないほどありますが、全部を揃えようとすると準備の途中で挫折してしまいます。大事なのは「これだけは絶対に用意する」ものと「無くても困らない」ものを、自分の暮らしに合わせて分けることだと考えています。
最優先で用意する3つ
最低限あると安心できるのは、飲料水、明かり、モバイルバッテリーの3つです。水は1人分であれば2リットルのペットボトルを2〜3本、普段の買い物のときに1本多く買っておく程度で十分だと考えています。明かりはスマホのライトだけでは両手がふさがって不便なので、LEDランタンか懐中電灯を1つ、すぐ手が届く場所に置いておきましょう。モバイルバッテリーは停電時だけでなく外出時にも使うものなので、防災グッズの中で一番出番が多くなります。
優先度を下げて、やらないと決めていること
ポータブル電源をフル装備することは、今のところ見送っています。

停電が数日以上続くことは稀で、多くの場合は数時間から半日程度で復旧するというのも理由の一つです。非常食を1週間分ストックして賞味期限ごとに入れ替える管理も、続けられる自信がないので手を出していません。かわりに、普段から常温保存できるパンやレトルト食品を少し多めに買っておく程度に留めています。
備えを特別なイベントにせず、続けるための仕組み
防災グッズを一度揃えても、いざという時に使えなければ意味がありません。モバイルバッテリーの充電が切れていたり、置き場所を忘れてしまっていたりするケースは珍しくないでしょう。僕の場合は、寝る前に翌日の準備を済ませておく習慣があるので、モバイルバッテリーの充電確認もそのタイミングで一緒にやるようにしています。新しい作業を増やすのではなく、すでにある習慣に一つ加えるだけなので、忘れずに続けられています。

特別な防災チェックの日を作るのではなく、普段の生活の一部として無理なく続けられる仕組みにしておくことが、結果的に一番確実な備えになると感じています。
冷蔵庫と食品を守る対策は「開けない」を仕組み化する
停電中の食品対策で一番効果があるのは、複雑な準備をすることではありません。冷蔵庫と冷凍庫のドアを開けないこと、これに尽きます。ドアを閉めたままにしておけば、冷蔵庫は数時間、冷凍庫はさらに長く低温を保てます。庫内の温度を無駄に上げないことが最優先になるわけです。

凍らせたペットボトルや保冷剤を冷凍庫の隙間に入れておくと、冷凍庫全体の温度が下がりやすくなり、保冷できる時間を延ばす助けになります。停電が起きたときにまとめて食材を取り出すのではなく、必要な分だけ手早く取り出してすぐ閉める、という開け方の意識を持っておくだけで、庫内の温度上昇をかなり抑えられるでしょう。冷凍庫の中身がぎっしり詰まっているほど保冷時間は長くなるので、隙間があるなら凍らせたペットボトルで埋めておくのも簡単で効果のある方法です。

電気が復旧したあとに確認すること
停電が終わって電気が戻ってきても、そこで安心して終わりにしてはいけません。まずブレーカーが落ちていないか、家電が一気に動き出して不具合が出ていないかを確認しましょう。エアコンやレンジなど電源を切っておいた家電は、一つずつ順番にスイッチを入れるようにすると、電力の集中を避けられます。
次に確認したいのは冷蔵庫や冷凍庫の中身です。ドアを開けっぱなしにしていなければ、数時間程度の停電であれば食品への影響は少ないことが多いといえます。ただし、常温に近い温度まで上がってしまった食品や、溶けかけていた冷凍食品は無理に使わず処分する判断も必要です。特に肉や魚、乳製品は少しの温度上昇でも傷みやすいので、匂いや見た目に違和感があれば食べないようにしています。
最後に、時計やルーターなど設定がリセットされる機器がないかも確認しておきます。ルーターは再起動に数分かかることが多いので、インターネットがすぐに繋がらなくても慌てず少し待ちましょう。それだけで復旧することがほとんどです。
まとめ 停電への備えは優先順位を決めて仕組み化する
停電が起きた瞬間にやることは、状況の確認、電力を大きく使う家電の電源オフ、冷蔵庫を開けないこと、そして省電力での情報収集です。事前の備えは水、明かり、モバイルバッテリーの3つに絞り、水は多めに買い置きしたペットボトルをストック棚に、モバイルバッテリーとLEDランタンは玄関の収納ボックスにまとめて置いています。ポータブル電源のフル装備や非常食の厳密なローテーション管理までは、今のところ手を出さないと決めています。
今日から始めるなら、まずは玄関の収納にモバイルバッテリーとLEDランタンを一緒に置くことから始めてみてください。そのうえで、寝る前の準備のついでに充電確認を一度加えておけば、あとは特別なことをしなくても備えは自然と続いていきます。次にやることは、冷凍庫の隙間を確認して、空いているスペースがあれば凍らせたペットボトルを1本入れておくことです。



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