押入れの引き戸を開けたら、上のケースが雪崩れてきた
押入れの引き戸をガラッと開けた瞬間、上に積んでいた収納ケースがバランスを崩して膝の上に落ちてくる。奥に何をしまったか思い出せず、結局手前にある物だけをぐるぐる使い回している。そんな場面、押入れのあるご家庭では一度は経験があるのではないでしょうか。
僕自身は今の賃貸が1K・クローゼット1つだけの物件なので、押入れとは無縁の暮らしを続けています。ただ、クローゼットの奥に収納ケースを押し込んだまま2年間一度も開けなかったことがあり、「奥行きのある収納は仕組みを作らないと死蔵スペースになる」という失敗を身をもって経験しました。押入れの奥行きは約80cm、一般的なクローゼットの奥行き(45cm前後が多い印象です)の倍近くあります。奥行きが深い分、この失敗がより起こりやすいはずです。
この記事では、押入れの奥行きを無駄にしないゾーニングの考え方から、アイテム別の収納アイデア、実際に使うと便利なアイテムまでまとめました。読み終えたときには、今日中に手を付けられる具体的な一歩が見えているはずです。
まずはゾーニング|上段・下段・奥行きで役割を決める
押入れ収納がうまくいかない最大の原因は、思いつくままに物を詰め込んでいることにあります。まずは押入れ全体を「上段」「下段」「奥」「手前」の4エリアに分けて、それぞれの役割を決めてしまいましょう。役割さえ決まれば、物を戻す場所に迷うこともなくなります。
僕は平日は帰宅が20時過ぎで、夜に凝った家事をする気力が残っていません。だから朝の5分だけ片付ける、というルールに落ち着いています。押入れも同じで、戻す場所が決まっていないと「後でちゃんとしよう」がそのまま何年も続いてしまいます。
上段には軽くて使う頻度の低い物
上段は目線より高い位置にあるため、重い物を置くと取り出すときに危険が伴います。来客用の座布団や季節外れの布団、思い出の品など「軽くて数か月に1回しか触らない物」を置くのに向いている場所です。踏み台を使わなくても取り出せる高さの範囲で考え、よく使う物は下の段に置くのが基本になります。
下段には重い物・季節用品
下段は取り出しやすい高さなので、掃除機やアイロン台のような重量のある物、シーズンごとに入れ替える衣類ケースを置くと動線がスムーズになります。布団を収納する場合も、下段なら出し入れのたびに腰をかがめる負担が少なく済むでしょう。
奥行き80cmの壁を越える|奥まで使い切るコツ
押入れ最大の悩みは、なんといっても奥行きです。手前の物を全部出さないと奥の物に手が届かない、という構造のせいで、多くの人が奥を「とりあえず詰め込む場所」にしてしまいがちです。ここで意識したいのは、奥行きをそのまま使うのではなく、奥の物を手前に引き出せる仕組みを作ることです。

キャスター付きケースで「奥」を手前に呼び戻す
底にキャスターが付いた収納ケースを使えば、奥に置いた物でもケースごと引き出すだけで取り出せます。季節用品や来客用寝具のように出し入れの頻度が低い物ほど、この方式が向いているといえます。押入れの床が畳の場合はキャスターで傷つく心配があるので、薄いすのこやマットを一枚敷いてから使うと安心です。
引き出し式なら奥まで手が届く
奥行きに合わせた引き出し式の衣装ケースを選べば、一段ごとに引き出して中身を確認できるので、キャスター式よりもさらに奥の物を把握しやすくなります。特に衣類や小物のように仕分けたい物が多いアイテムは、引き出しごとに用途を決めておくと迷わず片付けられるはずです。
押入れにも「数の上限ルール」を作る|ケースは3個までと決めてみる
僕は服をハンガー20本までと決めていて、増えたら減らすルールにしています。食費も月15,000円以内をキープ中で、上限を先に決めてしまうと悩まずに済むのが気に入っている点です。
押入れ収納でも同じ考え方が使えると思っています。たとえば「上段は収納ケース3個まで」「下段は季節用品2ケースまで」のように、エリアごとに個数の上限を先に決めておくのです。上限を超えたら中身を見直して1個減らす、というルールにしてしまえば、奥に押し込んで忘れる前に自分で気づけます。ゾーニングだけだと「役割」は決まっても「量」は無限に増えがちなので、数の上限をセットで決めておくと死蔵を防ぎやすくなるはずです。

アイテム別に押入れ収納を考える
押入れは、しまう物によって適した収納方法がまるで変わってきます。ここでは衣類・寝具と、書類や思い出の品に分けて考えてみましょう。
衣類・寝具は「畳まない」仕組みが正解
布団は圧縮袋を使うと、物によっては体積が半分近くまで小さくなり、上段のスペースを大きく空けられます。圧縮率は商品や布団の素材によって差があるので、過度に期待せず「小さくなればラッキー」くらいの気持ちで使うのがちょうどいいと思います。オフシーズンの衣類も、ハンガーごと掛けられる押入れ用のポールを設置すれば、畳む作業自体を減らすことが可能です。
僕は畳む作業をほぼ廃止してから、家事の負担感がかなり減りました。押入れでもハンガーで掛けられる仕組みを作れるなら、その方が絶対ラクだと思います。
書類・思い出品はデジタル化して量を減らす
説明書や過去の書類は、写真に撮ってデジタル化するだけで物理的なスペースをぐっと減らせます。僕自身、デジタル化できない紙類は100均のファイルボックス1つに全部入れるだけにしていて、それ以上増えたら見直すようにしています。押入れの一角が書類だらけになるのを防ぐには、この「箱1つまで」のルールが効果的です。
押入れ収納をラクにする便利アイテム
押入れには奥行きと湿気という2つの特徴があるため、専用のアイテムを組み合わせると格段に使いやすくなります。
すのこで底上げして湿気対策
畳や床に直接布団や収納ケースを置くと、湿気がこもってカビの原因になりかねません。押入れ用のすのこを床に敷くだけで通気性が生まれ、においやカビのリスクをかなり減らせます。以前住んでいた部屋で結露がひどく、窓際に置いた本をカビさせてしまった経験があるので、湿気対策は後回しにしないほうがいいと実感しています。
突っ張り棒で上段にもう一段作る
押入れの上段は縦の空間が余りがちなので、突っ張り棒を1本渡すだけで簡易的なハンガースペースや仕切りを作れます。棚を増設するよりも安価で、失敗しても取り外しが簡単なのが嬉しいところです。

この記事に関連するおすすめアイテム
記事で紹介した方法をさらに快適にするアイテムをまとめました。
押入れ収納ケース
すのこ
突っ張り棒
まとめ|押入れは「奥行きを制する」だけで見違える
押入れ収納のコツは、大きく3点に集約されます。上段・下段で役割を分けるゾーニング、奥の物を手前に呼び戻すキャスターや引き出しの仕組み、そして布団や書類など物ごとに合った収納方法を選ぶことです。さらに、収納ケースの個数に上限を決めておくと、量が増えて死蔵化するのを未然に防げます。すのこや突っ張り棒といった安価なアイテムを組み合わせれば、大がかりなリフォームをしなくても使い勝手は驚くほど変わります。
とはいえ、一気に全部やろうとすると疲れてしまうものです。週末にまとめて片付けようと気合いを入れるより、まずは奥に押し込んでいる物を1つだけ手前に呼び戻すところから始めてみてください。それだけでも、次に押入れを開けたときの気持ちが少し軽くなるはずです。
完璧を目指さず、「まあ、これくらいでいいか」の仕組みを一つ作るだけで、日々の暮らしはぐっとラクになるはずです。



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